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生温い話ばかりです…
2024.11.22,Fri
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2014.10.11,Sat
前提:ライビュで大楽を見ました。幸村さんが好きです。

 試合のあと、立海が並び客席に向かって頭を下げる直前、最後に映ったのは幸村さんだった。汗と涙できらきらと輝く顔で、まっすぐに前を見ていた。ライブビューイングのカメラではなく、立海のスタンド、観客席に並ぶ立海部員に向けているような顔だった。悔しい届かなかった悔しい悔しいそんな顔をしていた。
 泣いた顔を見られると、こんなまっすぐな角度で見られるとは正直思っていなかったので、なんの準備もできなかった。もともと泣いてるし。堪えきれず嗚咽がぐううと漏れたけど新宿の映画館でそれは私だけじゃなかった。お隣りも泣いていた(知らない人です)。
 その後なんとか取り繕おう立て直そうとしていたところに、手塚の泣き顔と大石の涙を食らってわっしょいはほとんどなにが起こっていたのか覚えていません。友達がずっと肩を撫でてくれていました。こんな恥ずかしいことになったのは正直はじめてです…

 そのあと、グラデュエーションで制服を着て出てきたとき、想像したよりずっとあとも引いてない晴れやかな顔をしていたことがとても印象的でした。演出考えれば当たり前なんだけど。
 ちゃんと終わらせられたんだなとそんなことを思いました。

 私のテニミュは幸村さんとはじまったと言っても過言ではない。はじめてみたのは1st比嘉公演でした。何故か香川まで行ってはじめてのテニミュを観ました。王子演じる幸村さんを生で見られたのは幸運だったと今でも思う。なんでそんな無茶なことをしたのか今でもよく分からない。
 その後1stの全立に可能な限り通った。前編でウィニングロードを歌いながら出てきた増田演じる幸村さんは、私が思う幸村精市の神話性と恐ろしく合致していた。気が付くと祈りの形に手を組んでいて、当時一緒に観た友人からはたいそう哀れまれたものです。
 増田の幸村さんはたった一人で立っているような幸村さんだった。立海の幸村というより立海が幸村だった。彼はたった一人で戦って負けて、いなくなった。
 今でも、あの最後の瞬間の幸村さんの姿を思い出す。マイクに決して拾われることのない「すまない」という謝罪の言葉一つでベンチの前を足早に過ぎていく幸村さん。誰も目も合わせないし目で追うこともない。ただ後を追うように暗い影の中を他の立海メンツは袖にはけていった。泣いている赤也の肩を、確か柳さんが押していた。
(※試合後袖にはける際「すまない」と言っていたのは、後日の元気さんとのトークイベで話されていました)
 私にとって幸村さんは多次元的に存在する全てが一つに繋がっている、たった一人の存在です。あそこで泣いていた幸村さんはずっとあそこで泣き続けている。舞台の上で省みられることのなかった幸村さんの試合は、ずっと誰にも振り返ってもらえない。
 かつての幸村さんはそうだった。私はいつも、お願いだから誰か、真田がいいけれどもう誰でもいいから、幸村さんをつかまえてよくやったと言ってほしかった。毎公演そう思いながら泣いた。その話はもういいでしょう。

 2ndの初日を観たとき、試合が終わった幸村さんはリョーマとの握手のあと立ち去らなかった。ベンチに歩み寄って足を止めて、しばらくそこでそのまま立っていた。誰かを待っているんだと勝手に思って、ああお願いだから真田来てお願い真田、幸村さんを助けてあげてと祈った。本当にそれが叶うとは思わなかった。
 私のテニミュは2nd全立は、だからその日で終わってしまってもおかしくはなかった。

 試合が終わったあと、幸村さんはリョーマと握手をした。このときいつもリョーマは笑うのだけれど、千秋楽のこの日リョーマはひどく優しそうに笑った。小越に限って板の上で役が抜けるなんてことがあるとも思わないけれど、このときリョーマが敵だった幸村に笑いかけたというよりもうすこし中の人に近い関係の笑顔だったように見えた。たとえば、泣いてしまった仲間を慰めるようなというのは身勝手な印象でしょうが。幸村さんの顔は見えなかった。
 ライビュのカメラはそのあと幸村さんを追わず、青学を映し続けた。リョーマと手塚が握手をして、またカメラは幸村さんへ戻る。真田がひとつ頷いて、幸村さんに歩み寄るのが見えた。
 いつもこのとき、青学がリョーマの勝利を喜んでいるとき、幸村さんは空を仰いでいた。立海のベンチは誰も幸村さんから目を逸らし、真田は幸村さんと同じように空を見ている。泣いている幸村さんを見ないようにしてくれているんだと思っていました。
 見上げていた首を真田に戻したとき、幸村さんの肩がびくりと震えたような気がした。真田の顔は影が落ちていてよく見えない、幸村さんは背中を向けていて見えない。
 どの時点からか、すすり上げるような声がずっと聞こえていた。マイクに入っていたから幸村さんかと思いましたが、赤也という話もあるそうで。私は幸村さんが堪えきれず泣いているんだと思いました。試合後、立海でマイクが入るのは幸村さんだけだし。でもどちらでもいいと思います。
 真田を見た瞬間、息を飲むようにすすり泣く声が上擦った気がしますが、正直この辺りはものすごく曖昧です。
 泣きながらまっすぐに顔を上げて、幸村さんは最後の言葉を口にした。
 2ndをはじめて観た不動峰戦でも同じように名乗りを上げ礼をするシーンがあった。2ndがもしこのシーンを全ての対戦校に準備してくれるなら、最後まで必ず観に行くと思ったことを思い出しました。
 願い叶って、幸村さんのこの言葉を聞くことができた。

 試合のあいだ、立海はいつも幸村さんを見ていてくれた。特に天衣無縫以降、幸村さんにとって辛い試合となってからはボールを追うこともなく幸村さんだけを見てるシーンが多くあった。時折赤也だけが幸村さんではなくリョーマを見詰めているときもあって、そこに意味することを考えるのは楽しかった。
 なにより、幸村さんから幸村さんの試合から目を逸らさないでいてくれることか嬉しかった。
 1stと同じように仁王くんが「あいつここに来て盛り返しはじめたぜよ!」と叫ぶシーン、2ndはみんな幸村さんを見ていて知っているから、それはあくまで共通認識の確認でしかない。1stのとき仁王くんの声に、弾かれるように顔を上げ幸村さんを見るの立海が辛かった。幸村さんが戦っているのに、立海は目を逸らしていることが悲しかった。当代は違っていた。
 立海のベンチではみんなが幸村さんを見ていた。無様に走り回りボールを追いかけ時に手が届かない幸村さんを、立海はちゃんと見ていてくれた。
 大楽を直接見たいと当日券に並びに行きましたが、正直どうしてもチケットが欲しいあそこにいたい見切れ席でもいいからとは思っていなかった気がします。ライビュのチケットは持っていたし、そちらの方が表情とかよく見えるだろうなと思って悩んでいました(当たってないのに)。
 結果抽選外れて映画館へと移動しながら、私が見なくても立海ベンチは幸村さんを見てくれているから安心して心穏やかな気持ちでいられるんだろうという結論に至りました。
 2ndにはそういう幸せがあった。

 ドリライは、その前までにあった公演を某か補完するシーンがあるものの気がします。1st最後のドリライ7でリョーマが天衣無縫になったとき、メインステージからリョーマを見上げる幸村さんの隣りに立った真田が幸村さんの肩を叩き、ふわりと笑った幸村さん真田柳さんの三強が並んだシーンが見られたように。
 あのシーンは本当に救いだった。

 2nd最後のドリライがとても楽しみですが、本公演ほどの幸せはあるのかなあというのが今いちばんの悩みです。贅沢な悩みです。




…嘘です。神戸のチケがまだ揃ってないことが今最大の悩みです……

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